家を売るときの譲渡所得税に減価償却費はどう影響する?税金の仕組みを解説!

不動産25

マイホームを売る際に、どのくらいの税金がかかるのかが心配になる人も多いのではないでしょうか。家を売ったときには、譲渡所得税を計算する必要がでてきます。今回は、不動産の売買で発生する譲渡所得税と減価償却費の関係について解説していきます。

減価償却費が譲渡所得税にどのように影響するのかや、減価償却費の計算で戸惑ったときの解決策なども紹介しましょう。

減価償却費って?

不動産32

不動産の減価償却費は、年数が経過するごとに減っていく物件の価値の変化を具体的な金額で表したものです。例えば、新築の家を購入した場合でも、所有している間に雨や風の影響で屋根が傷んだり、床や壁に傷がついたりすることがありますよね。

このような変化が生じると、2,000万円で購入した家でも同額の価値は見込めなくなります。木造住宅などは一見すると余り変化が見られなくても、経年劣化によって建物にさまざまなダメージが生じているケースが少なくありません。

建物の取得額や償却率、経過年数などを所定の計算式に当てはめて計算することで、建物の価値がどのくらい低下しているかを示す減価償却費が算出できます。

不動産の減価償却費は建物のみに発生する

不動産30

不動産の減価償却費が発生するのは、建物のみです。家と土地を合わせて売却したときでも、土地については減価償却費の計算はおこなわず、建物の金額のみを算出します。土地の場合、年数が経過しても建物のように経年劣化によって価値が変わることはないと考えられています。

土地の価値を決めるのは、主に地価相場や立地、面積などです。このような条件が変化しない限り、土地は年数がたっても購入したときと価値が大きく変わることは基本的にないわけです。

譲渡所得税に減価償却費が影響するのはなぜ?

減価償却費は、マイホームを売ったときの譲渡所得税を計算するときに重要になってきます。家を売って売却益を得た場合、受け取った売買代金の金額から家を購入したときの取得費を必要経費として差し引くことができます。

例えば、2,000万円で家を購入したときは2,000万円が取得費の金額です。

ただ、年数が経過している家の場合、取得したときの2,000万円という金額をそのまま取得費として計上できるわけではありません。経年劣化によって価値が減った分をマイナスしなければならないため、購入したときの家の価格よりも取得費の金額は減るのが一般的です。

経年劣化で減った価値は、減価償却費として具体的な金額を算出することができます。計算した減価償却費を家の購入価格から引いた金額が、正確な取得費の金額です。減価償却費が少ないと、購入価格からマイナスする金額が減るため、取得費は増えます。

逆に減価償却費が増えると、取得費の金額は少なくなります。減価償却費の金額によって計上できる取得費の金額が変わることは、マイホームを売るときに押さえておきたいポイントです。

マイホームの譲渡所得税の計算方法

マイホームの譲渡所得税を計算するときには、家や土地の取得費のほかに譲渡費用も差し引くことができます。譲渡費用は、マイホームを売るためにかかった費用のことです。具体的には、不動産業者に支払う仲介手数料や売買契約書の作成にかかった費用、測量費や不動産鑑定費用などが譲渡費用に該当します。

譲渡所得を申告するときの用紙には、取得費や譲渡費用の金額、内訳などを記載する欄が設けられています。こういった欄に内容を記載しながら計算を進めると、自分で申告をする場合でもスムーズに譲渡所得税の金額が算出できるかもしれませんね。

ちなみに、譲渡所得税の税率はマイホームをどのくらい所有していたかで変わります。所有していた期間が5年以上のときは長期譲渡所得に該当するため、税率は国税が15%、住民税が5%です。所有期間が5年未満の場合は短期譲渡所得として扱われ、国税は30%、住民税は9%の税率が適用されます。

マイホームの譲渡所得には特別控除が適用されることがある

不動産の譲渡所得税は長期、短期ともに税金の計算方法が決まっていますが、マイホームについては特別控除と呼ばれる制度が利用できることがあります。特別控除は、特例によって例外的に適用される控除制度です。マイホームを売却した場合、条件に該当すれば居住用財産を売ったときの特例制度が利用できます。

この特別控除が適用されると、最高で3,000万円まで控除をすることが可能です。建物、土地のいずれも対象になるため、家と土地を一緒に手放したときにも大きな節税効果が期待できます。居住用財産に適用される特別控除は、マイホームを所有していた期間に関係なく利用できる点も要チェックです。

所有期間が5年以上の長期、5年未満の短期のいずれの譲渡所得にも適用されるため、マイホームを購入して数年で売却をしたときでも譲渡所得税の金額が減る可能性があります。

10年以上所有していたマイホームを売ったときは軽減税率の特例も選べる

取得してから10年以上経過しているマイホームを売った場合は、税率が通常よりも軽減される特例もあります。この特例は、条件に該当する場合に限り、6,000万円までの税率が通常よりも少なくなる制度です。国税は10%、住民税は4%の税率が適用されるため、合わせて6%分の税金が減ります。

ちなみに、売却益が6,000万円を超えたときは、超過した金額に税金がかかる仕組みです。この場合、別に600万円の税金がプラスされますが、特例を使わずに通常通りに計算するよりも税額の合計は減る可能性があります。

10年以上所有していたマイホームを売るときの特例は、基本的にほかの特例と合わせて利用することはできません。ただ、3,000万円の控除が受けられる居住用財産の特例とは併用することが可能です。

長く所有していたマイホームを売ったときは、売却益の金額などを考慮して特例制度を上手に活用してみましょう。

減価償却費の計算で戸惑ったときの解決策

減価償却費は、計算方法が少し複雑です。計算式はインターネットのサイトでも紹介されていますが、初めて計算するときには戸惑うこともあるでしょう。こういった場合の解決策になるのが、国税庁が用意しているタックスアンサーのサービスです。

タックスアンサーは、無料で利用できる税金の相談窓口です。電話相談の窓口では、相談員に直接税金についての相談ができます。減価償却費の計算の仕方についても詳しく教えてもらえるため、自分で計算すると間違えそうな人は窓口で相談してみるのもひとつの方法です。

マイホームの取得費や取得の時期がわかる書類を用意しておけば、その場で具体的な金額を算出してもらえるかもしれません。事業をおこなっている人や、ほかにもいろいろな税金が発生する人は、税理士に相談するのもひとつの解決策です。

無料相談会などを利用すれば、コストをかけずに確定申告の準備ができる可能性があります。